酸化ストレスと老化現象

老化

老化にはさまざまな考え方がある。
ネイチャーメディシンによれば、老化は生物学的に4種類あるとしており、「代謝」「免疫」「肝臓」「腎臓」は、他の生体あるいは生理機能に比べ、老化症状が顕著だとする研究結果もあったりすれば、血管、脳細胞、テロメアなど、異なった視点から老化をとらえているケースもある。
では、そもそも老化とはいったいどう定義されているのだろう。

老化とは

厳密に定義するのは難しいが、老化とは一般的に、内臓の働きや運動能力、視力といった、生理機能の低下を意味しており、老化現象の要因としては、遺伝的要因であったり、外的ストレスに対する適応力が衰えることで現出したりすると考えられている。もちろん老化現象は、複合的な要因によって起きると考えることが妥当であり、遺伝性、ストレス性など、さまざまなことが引き金となって、身体だけでなくあるいは精神や記憶といったところにも現れはじめ、厄介なことに、いったん老化現象がでると、回復は容易ではなく不可逆的な症状が多いのも特徴だ。
もしかすると、医学の進化がいずれ老化をも克服する日も来るのかもしれない。
勘違いされることも多いが、老化現象とは、人類に限らず多くの動物たちが、今日に至るまでの進化の過程で獲得した生理機能と考えられている。というのも、例えばクラゲやイソギンチャクなどが属す腔腸動物、サナダムシなどが属す扁形動物など、いくつかの原始的動物において老化現象は存在しない。事実上、不老の生物というわけだ。
いうなれば不老とは、進化する上どこかの段階で、動物たちが手放してしまった生理機能ともいえるわけなのだが・・・なぜ老いる必要があるのか、哲学的あるいは文学的すぎてよく分からない。

老化の原因と活性酸素

老化の原因には、遺伝的に決定されているとする「プログラム説」と、細胞もしくはDNAなどが経年劣化してゆく「擦り切れ説」があると考えられているものの、証明するための医学的エビデンスは今のところまだない。しかし、細胞が増殖する過程で老化現象が起きていることはほぼ確定的、「プログラム説」よりも「擦り切れ説」ではないかと考えられている。

よって、老化現象を抑制するためには必要なことは、細胞の老化を抑制するということになる。

ここで着目されているのが「活性酸素」である。
活性酸素はその名称からも分かるように、スーパーオキシドなど活性化した酸素の総称であって、免疫力の向上や細胞間の情報伝達物質としての働きを持っている。しかし困ったことに、体内で活性酸素過多の状態、いわゆる「酸化ストレス」となってしまうと、本来免疫機能として働くはずの反応力が、正常な細胞活動に悪い影響を及ぼすということが判明したのだ。
酸化ストレスに陥る要因はさまざまあるが、主に、タバコ・排ガス・紫外線・薬剤・過度なアルコール・活性酸素を多く含んだ食品(揚げ物・ジャンクフード)の摂取など、日常生活するうえで避けることが困難なものから、気を付けることで回避できるということも分かってきた。

酸化しにくい身体を作るための習慣


人体にはホメオタシス性という性質がある。日本語では恒常性ともいうが、要は身体のバランスを整える働きが、もともと備わっていると考えてもらえば分かりやすい。この場合の恒常性とは、活性酸素が増えすぎた「酸化ストレス」という状態になったとしても、酸化を抑制する働き、抗酸化機能があるということだ。
もともと体内で合成することができる抗酸化酵素として、SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼなどがあれば、日常生活で摂取することができる抗酸化物質として、ビタミンC・ビタミンE・βカロテンなどで、足りない分を補うことも可能というわけだ。

活性酸素は何もしなくても増加するので、多かれ少なかれ「酸化ストレス」は現代人にとって避けることは出来ないといっていい。
よって、酸化ストレスを抑制するための抗酸化能力を維持すること、あるいは高めることが必要な場合には、日常生活から見直さないといけないことが多々あるということ。
そのためには「酸化ストレス」となっている原因と逆のことをするのが正解。では、具体的にどうすれば良いか。
タバコを吸いすぎないこと、紫外線を避けること、アルコールを控えること、ほかにも適度な運動や、ビタミンCやEといった抗酸化物質の摂取を意識した食生活を心掛け、活性酸素含有量の多い食べ物は摂り過ぎないことなど、いわゆる生活習慣病を予防するための行いが、そのまま老化を防止するということに繋がっていることも分かっている。

前述している通りではあるが、活性酸素は身体にとって必要なもの。そもそも呼吸からも産生されるものであり、免疫力を高める機能も備えているのである。活性酸素そのものは悪いわけではなく、むしろ必要なものであり、過剰に産生されなければよいだけの話だ。
末永く健やかに過ごすことを望むならば、人体のホメオタシス性のみに頼るのではなく、自分で心掛けるべきことが何なのか、考えてみるのも悪くないだろう。

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