終活ですべき事と考え方

終活

マーケティング会社の楽天インサイトによると、人生も終盤に控えた際には、相続や葬儀の準備など身辺を整理する「終活」が浸透しつつあるとのこと。20~60代の男女1000人に実施したアンケートでは、終活をする意向があると回答した人は40.3%と昨年調査の39.1%から増えた。終活をしたい理由は「家族に迷惑をかけたくない」が75.9%と最多だった。終活でしておきたいことの首位は「財産整理」(62.5%)だった。
年代別では30代の46%が終活をする意向を示し、全世代でトップだった。「家族に迷惑をかけたくない」が男女とも82%台と最も高く、子育て期に入り意識が強まる様子がうかがえる。一方で全世代を通じ「何から手を付けたらよいか分からない」(36%)「相談できる相手がいない」(18.6%)など、終活を不安に思う声も多かった。

終活とは

「終活」という言葉が最初に使われたのは、2009年『週刊朝日』で連載された特集が始めとされている。2010年の新語・流行語大賞にもノミネートされたことを皮切りに、2012年には「終活本」と呼ばれる書籍がいくつも発行されるようになった。
終活とはそもそも何なのか。
終活とは「人生の終わりのための活動」の略であり、死と向き合い、最後まで自分らしい人生を過ごすことにほかならず、ゆえに人生の総括を意味するともいっても過言ではない。
そこに至るまで、どう生きてきたが重要であるのかもしれないし、そもそも「人生の終わりのための活動」について、真剣に考える時間がある人間とは、総じて良い人生を送ることができているのかもしれない。
終活の意義について考えるのも悪くはないが、ここでは一般的な目的、やり方にについても、目を向けよう。

遺言やエンディングノート

エンディングノートとは、自身が死亡したとき、判断力や意思能力を失ったときのために、自身の希望を書き記しておく媒体をいう。媒体といったのは、紙媒体である必要がないという意味であり、文書ソフトなどの電子媒体でも構わない(※パスワードロックや保管場所など、必要となったとき信頼できる誰かが確認できるようにしておく必要はある)。遺言とは異なり、法的効力はなく、書式も定められていない。
具体的には下記のような取り決めをすることが多い

  • 根治の可能性はない場合に延命措置を望むか
  • 財産や貴重品のありか、その情報(銀行口座・通帳・電子マネーや有価証券などの資産情報)
  • 身辺情報(インターネットや電話の契約・SNSやWEBサイトのログイン情報パスワード情報・不動産管理会社・友人知人や連絡してほしい人間及び会社)
  • 家族の連絡先(同居していない家族親類)
  • ペットの処遇

見ての通り、法的効力を望むものよりは、もっとプライベートなこと、身辺整理についての記していることが多い。形式ばっていないので、ほかにも様々な考え方ができるだろう。例えば、家族と同居しているか、所属している法人や団体があるか、何かしら責任ある立場の人間ではないか、といった社会的地位や家族構成、もしくはその人間がおかれている環境によって、書置きしておくことが様々だ。
もっと私的なことで、自分史を記しておくことや、介護に関する希望といった、存命中に関することについてメモ書き的な性質もあり、遺書とは違った趣旨目的で使われることが多く、死亡後のことだけではない、存命中の家族の負担を減らすことも可能なのだ。
考え方があまりに多岐にわたるため、書籍や文具として販売もされているので、それらを活用するのも良いだろう。

葬儀・墓地

最近の風潮として、葬儀は少人数で行うことが主流になりつつある。もしくは宗派や信仰、個人的な価値観によって、望む望まない葬儀があれば記しておくという考え方もある。但し離檀料といった思わぬ出費がかさんでしまったりすることもあれば、残された人にも事情があるかもしれない。法的拘束力がないゆえ、望み通りにならないこともあるかもしれないので、社会通念上相当と思われる範囲内に留めておくことは、後顧の憂いを断つことにもつながり、終活の本旨に沿うものといえる。
墓地については、寺院墓地、永代供養墓地など、すでに決まった墓地があれば書き記しておく方がいいだろう。

遺言(いごん)

遺言には自筆遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言がある。
どれも法的効力があり、書き方、開け方にもルールがある。仮に遺言書らしきものを見付けたとしても、勝手に開封したりすることは無いようにしよう。自筆遺言以外でそのような問題が起こることはないかもしれない。ちなみに自筆遺言を勝手に開封すると、罰金5万円が課されることがあるので、注意したいところだ。遺言の無効になることは原則的にないが、家庭裁判所で検認が必要となったりと、余計な手続きが増えてしまう。
自筆遺言では、手書き、日付、押印など、細かなルールもあるので、詳しくないならば司法書士弁護士など、法律の専門家に相談する方が無難だ。

限りある時間を良いものに

「死ぬときのことなんて、縁起でもない」という考え方もあるだろうが、しかし終活は死ぬときだけを考える活動ではない。そもそも生前のことについても触れることが多いし、残された家族や大切な人の負担を減らす目的があることの方がよほど重要だ。その延長線上に、自己を振り返り「残された時間をどう有効に使っていくか」を考えることもできるでので、とても前向きな活動ということができるのではないだろうか。

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