生命保険 ~人口減少と高齢化~

生命保険

生命保険は大別すると「医療保険」「死亡保険」この2つに分けることができる。
医療保険とは、主に三大疾病(脳血管疾患・心疾患・ガン)などの病気、もしくはケガなどで入院や治療を受けたときに給付金が受け取ることができる保険。
もう一方の死亡保険は、文字通り、死亡したときに受け取ることができるもサービスで、残された妻や子供のための備え、もしくは葬儀など身辺整理のための保険である。

生命保険の歴史、日本では明治時代まで遡ることができる。現存する最古の保険会社は明治生命だ。
生命保険には、貯蓄性のある養老保険型、または保証額の大きい終身保険型など、時代背景によって人気の商品は異なったりすることはあるものの、基本的なルールは今も変わっていない。

医療技術と医療保険

生命保険の基本的なルールは変わってないものの、最近の医療技術の進歩によって、国内で保険事情は変わりつつあるようだ。
特に病気やケガのときに給付される「医療保険」は、医療の技術に左右されやすい。

入院の短期化
厚生労働省には、退院患者の入院日数その推移を表したグラフがある。
入院日数
平成29年(2017)患者調査の概況|厚生労働省
1990年退院患者の平均入院日数は44.9日だったのに対し、2017年には29.3日と3割以上の削減となっている。ものの見事な右肩下がりをさまを呈している。最近では、一部ステージⅣがん(転移したいわゆる末期がん)の治療でも、抗がん剤投薬後は退院し、少しでも長い時間を家族を過ごし、投薬の日だけまた入院しに訪れるケースも少なくない。

長寿命化
純粋に長生きできるのは喜ばしい。それならば、できるだけ健康的に、そして生活資金にもある程度の余裕を持って、生きていくことが望ましい。長寿時代を満喫するならば、働けない年齢になるまでに、蓄える、支出を減らす、そして万一のケガや病気に備える、こういったこと「老後の備え」を、少しでも達成していくことが大切だろう。
貯蓄を使い果たしてしまう「長生きリスク」を回避するためにも、従来型の保険では対応できないケースも生じてきている。

保険商品の多様化
医療の進歩によって、保険商品の多様化がどんどん加速している。
その一つとして、今までがん保険に代表される三大疾病保険(脳血管疾患・心疾患・ガンに対する保険)だが、そのほかにも高血圧、糖尿病、じん不全、肝硬変などといった、生活習慣病に関わる保険や、女性特有の病気、乳がんや子宮がんといった場合にも、手厚い保障があるタイプも増えてきている。

予防によるリスク低減に着目した保険
健康型医療保険、健康増進型保険といった、「予防医学」「健康増進」に着目し、加入者が自身の病気リスクを低減させることで、保険料の軽減や、そのほか割引サービスを受けられるといったタイプの保険も登場した。
今のところ民間の保険会社が独自に取り組んでいるだけである。しかし自由民主党「明るい社会保障改革研究会」によると「スポーツジム費を控除対象に」という提言がある。しかしスポーツジム費を控除対象とする前に、人間ドックは自己負担であるし、病気予防である予防接種も控除対象とはされていないなど、ほかに取り組むべき課題があるとされていて、実現はまだ先の話になりそうとのこと。
国費を投入する以上、慎重にならざるを得ないのは仕方ないが、フットワークの軽さでは、やはり民間会社の方に軍配が上がるようだ。

生命保険会社による介護保険
2016年以降生保各社から販売が活発となっている「介護保険」タイプ。
加入することで、要介護の度合いによるが一時給付金があったり、要介護1以上で保険料が免除されたり、もしくは認知症にも対応していたりと、老後に何かあったときのために特化した保険である。性質上、終身型タイプも用意されていることが多く、また要介護は年単位で認定されるため、保険も年金型で支給されるのが一般的だ。健康保険組合と生命保険の双方で介護保険に加入していれば、さまざまな状況にも対応できるというものだ。
老夫婦
今後は老後資産を増やすためにも、65歳あるいは70歳まで働く必要も生じるだろう。それを不満と嘆くのか、健康的に長く楽しく生きていくことができるならばと喜ぶべきなのか、人それぞれ価値基準によるかもしれない。
生命保険会社が提供する医療保険は、長生きするほど得をする年金型、貯蓄型が、今後はスポットライトを浴びそうだ。

保険の必要性

最後に。そもそも保険に加入する必要性があるのかについて考えてみたい。
生命保険とは、基本的に「自分が死んだら家族が困る」場合と「けがをして働けなくなったら自分が困る」場合に加入する必要があると考えてよい。逆にいうと独身者でかつ、貯蓄が十分にあること、もしくは定期収入が確立していること。この辺りをクリアしていれば、保険に加入する必要はないともいえる。もっと言えば自分が死んでも家族が困らないほど貯蓄があれば、独身者でなくとも保険に加入する必要はない。
生命保険会社が提供する医療保険についていえば、病気にかかることさえなければ不要だ。それはどの程度のリスクなのか?大きな病気にかかることなく、天寿を全うした統計を探してみたが、定義も難しく、残念ながら分かりやすい統計は見当たらなかった。参考までに日本で、いわゆる老衰死として亡くなった方の2018年統計は、がん、心疾患に次いで3番目となっており、三大疾病である脳血管疾患よりも多い割合となっている。また、95歳以上の死因に限定すれば1番多いのが老衰死となっていることも同調査では明らかになっている。

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