人生100年時代の到来

人生100年時代

100年生きる時代

「老後に2000万円足りなくなる」というキャッチ―でショッキングなニュース。2019年6月3日に公開された、金融庁の金融審議会による発表を、様々なメディアで取りざたされた件は記憶に新しい。

数年前から目にする機会はあったが、今回のニュースを機に様々なシーンで使われているように感じる。保険・金融・介護など業種を問わず、「人生100年時代を迎えるための○○」といった、新たなキャッチ―フレーズの一つとして定着しつつあるようだ。当初はネガティブな取り上げられ方だったが、いつの間にかポジティブに受け入れられた感さえある。振り返ってみると、むしろ狙って炎上させたのではないかと勘繰りたくなってしまうのは、あまりに穿った見方かもしれない。
何にせよ、人生100年時代とは、大病や事故に見舞わわれることがなければ、多くの人間に訪れるであろう将来であるということ。それは間違いないようである。
2007年以降に生まれた先進国の2人に1人が103歳まで生きる「人生100年時代」が到来する。そう提唱したのは、ロンドン・ビジネス・スクール教授のリンダ・グラットン、アンドリュー・スコットによるもので『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』という書籍に記されているもの。
人間が100年間生きるということ、それを前提とした人生設計の必要性が論じられている。

高齢者の定義

そもそもの高齢者の定義が日本国内でも変わってきた。
日本老年学会と日本老年医学会によると

65~74歳を「准高齢者」、75~89歳を「高齢者」、90歳以上を「超高齢者」とする新たな定義区分を提唱している。既成概念を変えることで、「従来の定義による高齢者を、社会の支え手でありモチベーションを持った存在」として捉え直し、超高齢化社会を「明るく活力あるものにする」と意義付けている。

65~74歳 准高齢者
75~89歳 高齢者
90歳以上 超高齢者

これらの定義は単なる言葉遊びではなく、現在の高齢者は10~20年前と比較しても、身体的な機能の変化、もっと端的にいうと老化現象が遅くなっている。つまりは「若返り」現象が見られるそうなのだ。

日本老年学会と日本老年医学会は同時にこうも言っているので念のため

今回の提言は、医学など客観的なデータに基づいたものであって、政府による年金支給年齢の一律引き上げのような根拠に使われることには反対の立場を取っている。一方で、社会参加は個人の健康にとっても良いことであり、健康寿命が延びれば結果として医療費を抑制し若い世代の負担軽減にもなる、と話している。

「20年学び、40年働き、20年休む」という人生80年設計は、今後成立しなくなるとして、100歳まで生きることが一般化する社会で、定年以降をいかに生活するか、はたまた65歳で定年するという選択肢すら違ってくるのだろうか。選択肢が多岐にわたるのは間違いないといえる。

国民年金

さて、人生設計を語るためには、お金の話を避けて通ることはできない。
ここで冒頭の「年金2000万円」の問題にもどるわけだが、もともとは金融庁の有識者会議で「公的年金だけでは老後に2000万円足りない」という報告書を公表したことが事の発端である。
具体的には、
夫65歳以上、妻60歳以上の仕事をしていない夫婦2人の世帯の平均で、
▽年金などの収入=20万9198円
▽支出=26万3718円
夫が定年退職した65歳から年金を受給したときを想定していて、支出と収入で54,520円の赤字になってしまう。その後30年その状況が維持された場合、約2000万円の赤字になってしまうというお話。
ちなみに老齢基礎年金には、繰り下げ受給制度という方法もある。70歳から年金受給を開始すれば、本来の受給額よりも43%多くもらえるという制度。とするならば、70歳から年金を受給開始した場合、現状の法制度で単純計算すると、42%増299,153円となり、35,435円の黒字。ともすれば「公的年金は1200万円以上の超過」というセンセーショナルなタイトルとなる可能性だってあり、違う意味で炎上していただろう。
もちろん「70歳から受給~」「現状の法制度~」など、たらればの仮定の話に過ぎないが、2000万円足りないという話も同じことで、本当はもっと足りない状況になる可能性もあるはずだ。
どちらにせよ、一律65歳から無貯金の状態で受給することを想定して、2000万円足りないというのも、少なからず公平性を欠くのではないだろうか。

老後に限らずとも、資産形成という観点からならば、ひと昔前と比べると多くの選択肢が用意されている。不動産・投信・株式・保険・為替・預貯金などさまざまだ。中でも投資信託(投信)は、一般のサラリーマンでも、少ない金額かつローリスクで始めることができ、またそれで成功しているという話はそこかしこで聞くことがある。あくまで不動産や為替などに比べてリスクが少ないという話であって、おススメしているわけではないので、やる場合は自己責任で願いたい。
中には年120万円5年間を上限として、合計600万円までは非課税としている投資信託もあり、税制上、売却益にたいして20%かかる配当への課税がゼロになるのだから、個人で始めるなら最適解の一つといえるかもしれない。

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