食品ロスが年間643万トン。食べられるのに捨てられてしまう食品。

食品ロス

「食品ロス」とは「食べられるのに捨てられている食品」のことをいう。
食べ残し、期限切れなど理由は様々だが、外食産業やスーパー・コンビニなどの小売店、そして一般家庭から排出される「食品ロス」は、実に年間643万トンを超える膨大な量となっている。しかしこの数字には、スイカの皮など可食部以外の部分や、消費期限切れなどの理由で、食べることができなくなったものは含まれていない。それら全てを食品廃棄物と総称し、食品廃棄物を廃棄するためのコストは、年間で2兆円にのぼるとされている。

食品廃棄物の内訳と食品ロス

食品廃棄物は年間で2759万トン。そのうち、事業者から出たものが1970万トンで、一般家庭からは789万トンとなっている。

 

食品廃棄物の発生状況
2759万トンある食品廃棄物のうち、まだ食べられたはずの「食品ロス」が643万トン。その食品ロスは、事業者から352万トン、一般家庭から291万トンという内訳になっている。
事業系食品ロスは、食品廃棄物1970万トンに対して352万トンで、割合にでみると17.8%。
ところが一般家庭だと、789万トンに対して291万トンとなっていて、36.9%。
恵方巻きやおせち料理など、スーパーやデパートといった小売店での売れ残りが、やり玉にあがることもあったが、その実、一般家庭の方が、食品ロスに対する意識は低いという結果になったわけだ。

一般家庭での食品ロスの理由として(1)食べ残し(2)痛んでいた(3)期限切れの順で多いことが分かっている。
まだ食べられるのに捨てた理由

消費期限:傷みやすい食品(食肉・総菜など)で、期限を過ぎた食品は食べない方が良い
賞味期限:傷みにくい食品(カップ麺・牛乳など)で、期限が過ぎてすぐ食べられなくなるわけではなく、消費者の判断に委ねられる。農林水産省では「おいしく食べられる期限です!」と謳っている。
ただしどちらも開封前を想定しているので、開けたら速やかに食べてしまうのが良い。

食料自給率

話は変わるが「食料自給率」という言葉を覚えているだろうか。
カロリーベースの食料自給率、2000年から現在までおよそ20年間、日本は38%~40%の間、行ったり来たりを繰り返している。平成28年を例に挙げてみると、
(例)カロリーベース総合食料自給率(平成29年度)
1人1日当たり国産供給熱量(924kcal)/1人1日当たり供給熱量(2,445kcal)=38%
となっていて、上がってもいなければ下がってもいないといえるだろう。

 

成人男性の平均的な摂取カロリーが2000~2300なので、仮に2150kcalと考えた場合、食料自給率の根拠となっている2445kcalだと、すでにエネルギー供給過多。生活習慣病のリスク上昇まっしぐらなのだが、1人1日当たり供給熱量(2,445kcal)という数値をもとに「食料自給率を上げるため・・・」という議論をしたとして、はたして意味があるだろうか。日本国民が全員成人男性基準で肥満にならない2150kcalを基準に考えたとしてもだ、食料自給率は42%ということができる。

農林水産省によると、食料仕向量(国内市場に出回った食料の量)が8088万トン。対して食品廃棄物が2759万トン。ということは、残りの5329万トンで国内の食料を賄うことができているということになるのだが、食品廃棄物のうち輸入食品はどれくらいあるのだろう。カロリーベースの比率で考えれば、1600万トンを超える。不要分を輸入しないことでも食料自給率は上がるのだが、ここまでいくと食料自給率という問題の本質が、本当はどこにあるのか分からなくなってくる。

一人一人の心掛け

食品ロス、食品廃棄物、食料自給率。何千万トンとか大きな数字を目にしても、だったらどうすればいいのだろうか。実際問題として、すぐ目の前にある危機でもなく、直ちに何か取り組まなくてはならないと考える割合は、ほんのわずかではないだろうか。
なにも大きな取り組みや、高い意識など必要ないのかもしれない。
「買い込みしすぎない」「残さず食べる」「作りすぎない」など、一人一人がほんのちょっとしたことを心掛けるだけで、食品ロスも食料自給率も、もっと良い方向へ進むのではと感じてならない。そもそもそんな大きな問題の前に、家計にやさしく、ごみ出しの負担も減らし、食べ過ぎて身体に負担をかけることも減らす、これを簡単に出来てしまうという事実に、早く気付かなくてはならないだろう。「もったいない」は日本人の美徳であるはずなのに、この体たらくはどういったことなのか。
ほんの小さな取り組みかもしれないが、ちょっとした心掛けで変えることができる、そんな世界は意外と身近にあるかもしれない。

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