キャッシュレス化と高齢化社会

キャッシュレス社会

2018年経11月、経済産業省が公表した「キャッシュレス・ビジョン」によると、キャッシュレス化による、店舗の無人化による省力化、不透明になりがちな現金資産の見える化、流動性の向上と、不透明な現金流通の抑止による税収向上につながると共に、さらには支払データの活用による消費の利便性向上や、消費の活性化など、国力強化につながる様々なメリットが期待されるとして、10年後となる2027年までに、キャッシュレス比率を現状の20%未満から、40%程度を目指すとしている。

日本は他の先進国と比べて、キャッシュレスが進んでいないといわれている。

 

 

このように、キャッシュレス化が発展している国が40%~60%台であるのに対し、日本は20%未満と、かなり水をあけられているのが現状だ。

2015年当時のものとはいえ、18.4%という数字は、他国と比べて低いかもしれないが、しかし2018年11月、日経新聞によると、金融庁が独自で算出した数値では、キャッシュレス比率は50%超という話もある。(メガ銀行に給与口座の会社員、キャッシュレス比率は50%超 金融庁が試算)
計算方法や時期も違うのでどちらが正しいのか分からないが、そもそも18.4%という経産省の数字に、SuikaやICOCA、PASMOなどの交通マネー、更には口座振替や振り込みなども算入されていないと考えられているだけでなく、時代とともに言葉の使い方も変わるので、キャッシュレスの定義そのものが違うかもしれない。

何にせよ、日本でキャッシュレスは進みにくい理由はいくつか考えることができる。
大きく分けて、導入する側である店舗サイドと、実際に利用するユーザーサイドに分けることができるようだ。

店舗サイド

  • 店舗における端末負担コスト
  • 決済手数料の負担
  • 支払いからの入金スパン
  • 導入メリットが感じられない
  • スタッフの対応が困難

ユーザーサイド

  • 「使いすぎ」等への不安感
  • セキュリティへの不安
  • 現金主義

ほかにも日本独自の地勢的な理由として「治安の良さや偽札の少なさ等の社会情勢」や「災害時にインフラが機能しないときに使えなくなる」などもあるとされている。
デビット・クレジットカード

キャッシュレスのメリットとデメリット

キャッシュレスのメリットやデメリットを、現金払いと比較しながら考えてみる。ここでキャッシュレスとは、クレジットカード・デビットカード・交通ICカード・QR決済・インターネット決済全般など、すべて含めて考えていきたい。

メリット
・コストの削減(ユーザー目線で支払う際の時間的コスト・店側の現金収集や領収書発行にかかるコスト・金融機関側の流通コスト)
・インターネット、実店舗問わず、決済手段としての利便性
・決済端末があれば世界中で決済できる
・紛失時の利用停止が簡単
・不正利用された際の補償
・現金決済より透明性の確保ができ、脱税やマネーロンダリングといった犯罪が困難となる
・現金目当ての強盗がなくなる

デメリット
・決済端末、あるいは決済機能があるサイトでないと使えない
・導入側は決済手数料がかかる
・スキミングなどのリスク
・電子機器が使えない状況だと使えなくなる
・天災、事故、テロ等によるインフラ障害に弱い(2018年9月6日の北海道胆振東部地震の停電時。通信障害は通信事業者側の大きな障害から、店舗側の機器不良まで、大小あるが度々起きている)
・プライバシー面での不安
・若年層と高齢者の情報格差

キャッシュレス社会

キャッシュレスは利便性が高く、世界的に見て増加傾向にあるのは間違いない。
しかし、インターネットや電子マネーの情報に疎い傾向がある高齢者にとって、分かりづらいと考えることが少なくないのは、日本だけでない。世界でも同じ問題を抱えているとされている。
日本で現金以外の決済手段としては、クレジットカードでの決済が主流になっている。クレジットカードの取得に関して、明確な年齢制限を設けていることはほとんどないと考えられるが、高齢者はクレジットカードの審査が通らないことがある。海外ではクレジットカードよりもデビットカードのほうが主流なので、高齢者の方でも取得しやすいだけでなく、同じく定期的な収入が少ないと考えられる学生でも、比較的簡単に持つことができるのが、デビットカードの良いところだろう。
高齢者に関わらずだが、電子マネーやインターネット決済に障壁を感じる方にとって、現金決済の方が、少なくともキャッシュレス社会よりも生活しやすいと感じることはあるだろう。
インターネットはここ数十年で飛躍的に進歩したものであり、高齢者もしくは情報格差のある者に対し、新たな知識や利便性を訴えるのではなく、身近な人や地域など、周辺環境から、いかにサポートしていくかが課題とされている。

生活支援の記事

TOP