介護予防・日常生活支援総合事業―通称「総合事業」

総合事業とは

「総合事業」とは「介護予防・日常生活支援総合事業」の通称のことをいいます。
その内容は、市町村など各自治体が中心となって、地域の実情に応じ、住民や法人が主体となって参画し、各々が多様なサービスを供することで、地域の支え合い体制づくりを推進し、要支援者に効果的かつ効率的な支援等を行うシステムを指します。
必要な要素をすべて盛り込んで説明すると、こうも冗長で分かり辛くなるものか、その好例(悪例)にも見えますね。定義は曖昧になってしまうかもしれませんが、分かりやすくすれば「要支援者への、柔軟な支援のための取り決め」といえるでしょう。

なぜ総合事業が必要なのか

そもそも今の要介護保険で、対応は出来ないものなのか。
一言でいえば出来なくなってきた、将来的に出来なくなるのが分かってきた、というのが実情です。
地域に見られる様々なケースは、例えば過疎化、例えば人口集中、他にも高齢化など、さまざまあるはずなのに、一つのルール(介護保険法)の下で運用することが、果たして適切といえるのでしょうか。やはりケースバイケースがあって、適切な対応が出来なくなってきたというのは、仕方がないことかもしれません。例えば、東京23区と山間部を比べた場合に、同じルールで介護支援することに、無理が生じてきた。そのため地域ごとに、柔軟な対応をしましょう、というのが「総合事業」の本旨になります。
先進国で特に問題とっている高齢化社会、日本では2025年に65歳以上が30%に達し、2060年におよそ40%をも超えるだろうという予測を前に、何もせず、手をこまねいているわけにもいかなくなってきました。

総合事業の基本方針


~図は厚生労働省WEBサイトより引用~

まず、最初に取り組むべき課題は「地域包括ケアシステムの構築」と、そのシステムで重要な役割を果たす「生活支援コーディネーター」の配置です。
厚労省WEBサイトには詳細が記されていますが、キーワードは規制緩和、人材確保と調整、システムの構築といえるでしょう。
「地域包括ケアシステム」には、医療・介護といった、従来の専門機関だけでなく、家事代行や予防のためのコミュニティ、配膳、見守りなど、さまざまな業種業態が考えられます。そうなれば当然、参加できる主体に多様性が生じます。人だけでなく、様々な法人(民間・NPO・協同組合・ボランティア団体など)を幅広く受け入れできるよう、規制を緩和していきます。緩和されたシステムが、複雑で機能しなくなっては、元も子もありません。そのための調整人として「生活支援コーディネーター」を、各自治体に配置するようにしていくのです。

これから

「生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)」の配置は、2018年4月までに、各市町村で義務付けられています。介護予防給付や一次・二次予防などの、細かい線引きもなくなり、介護予防事業は次なるステージ、自治体ごとの総合事業へと移行していきます。
過去に経験したことのない局面を、これから迎えることになるのですが、そもそも毎日「今まで経験したことのない局面」を、我々は経験してきました。大仰に考える必要はなく、各々の日頃の行いから出来ることだって、あるはずなんです。運動不足を解消するとか、お年寄りに席を譲るとか、自分にも、周りにも、ほんの少し気遣うことが出来れば、未来はちょっと明るくなる。私はそう信じています。

<参照>
介護予防・日常生活支援総合事業の基本的な考え方(※)厚生労働省
介護予防・日常生活支援総合事業とは(※)日経デジタルヘルス

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