認知症に効果あり?バリデーション療法とその具体例

皆さん「バリデーション療法」という言葉をご存知でしょうか。
ご存知でない?
もちろんご存知でない方も多いと思ったからこそ、皆様に広く知ってもらいたく、今回取り上げた次第にございます。

バリデーション療法とは

「バリデーション療法」とは、認知症の方が騒いだり、徘徊したりすることにも「意味がある」として捉え、なぜ騒ぐのか?なぜ徘徊するのか?たとえ虚実入り混じったで状況であったとしても、それを解決すべく行動を共にしたり、一緒に考えたりする方法論のことをいいます。
患者さんの「本音」に迫り、本来的なコミュニケーションを図ることを目的とした療法のことをいいます。

概論的な物言いになってしまいました。具体的な例に当てはめることで、もうちょっと分かりやすくしたいと思います。

具体例

認知症の方が「家に帰りたい」と言い出した
この場合、施設であろうとご自宅であろうと、ここから認知症の方に「ここはあなたの家ですよ」と説明したところで、素直に納得することはレアケースです。

バリデーションはここから本領を発揮します。

  • 「そうなの、家に帰りたいの?住んでるのはどこ?」
  • 「今は誰と一緒に暮らしてるんですか?」
  • 「どうしました?ご自宅で何かありましたか?」

このようにコミュニケーションを試み「なぜ家に帰りたいのか?」「どうしてその言葉が出たのか?」その真意を探ります。健常者から見た真実・現実はここでは関係なく、意味のあるコミュニケーションを取ることが重要なのです。

スウェーデンから看護婦を招いて、バリデーションを取り入れた栃木県のグループホーム「能羅坊(のうらぼう)」でも、「母親のところへ帰りたい」というお年寄りには、「それでは一緒に行きましょう」と出かけることにしている。
途中でお茶を飲んだり、トイレに行ったりするうちに、お年寄りは落ち着きを取り戻す。
管理者で僧侶でもある田中雅博さんは「あなたのお母さんはもう死んでいますと指摘しても不安が増し、症状も悪化するだけ。痴呆の人の主観的な世界を否定せず、尊重して介護することが大事」と話している。

教えて!認知予防 バリデーション療法具体的にどのように接すればよいのでしょうか?より引用

ちなみにこちらの田中雅博さん、医師であり僧侶でもあります。ローマ法王庁が呼びかけた国際会議にも過去4度招かれ、講演されるご経験を持つ御仁でもあります。

してはならないこと

認知症の患者さんにしてはならないこと、それはその場しのぎの適当なごまかし、あるいは嘘を吐くことです。
例えば「家に帰りたい」と言い出した時を例に考えます。
「お腹が空いたのでご飯にしましょう」とか「家に行っても誰もいないよ」とか。
これは、パッシング・ケア=やりすごすケアとも呼ばれ、認知症介護の現場では忌避されるべき行為です。

患者さんも、自分がぞんざいに扱われたり、嘘を吐かれたりすれば、それを認識している可能性が高いとされています。しかし、その可能性の有無が、ここで関係あるはずがないのです。

「人間は感情の動物」とは誰が言ったのか。
感情が昂れば、それを抑制することで、自然と状態は穏やかになるものです。

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